iPhoneとiPadがフィンランド格下げの原因に? - iPhone Mania

先日、格付け会社S&Pが、フィンランドの格付けを最上級のAAAから、一つ下のAA+に格下げしました。この格下げはフィンランド経済の成長力が弱まっていることを反映したものとされ、高齢化や雇用の硬直化に伴う成長停滞のリスクも同時に指摘されました。

 

格下げ自体はAppleと全く関係ないようですが、フィンランドの首相はCNBCのインタビューで、原因は「iPhoneiPad」と指摘しています。

ノキアiPhoneで大打撃

Appleの成長で最も影響を受けた企業の一つはフィンランドの主要企業であるノキアでしょう。携帯電話メーカーとして世界有数の規模を持ち、同国経済を支えてきたノキアはやはりiPhoneの普及で一頃の勢いを失っています。

 

Lumina

 

これは首相の指摘通り、フィンランド経済に大きな影響を与えていると言っていいと思います。モバイル産業は製造だけでなく研究開発や周辺業界などでも多くの雇用を生む産業です。その中心であるノキアが傾けばやはり国の経済にも影響します。

iPadフィンランドの基盤産業に影響

そして、意外なことにiPadフィンランド経済を停滞させる要因になったと首相は述べています。iPadによって多くの新聞、雑誌が電子化され、紙の需要が落ち込んだと指摘します。そしてこの需要減少は、フィンランドの伝統的な産業である製紙業界の不振の原因になっているとしています。

 

ニューススタンド

 

ちょっと強引な説明ではありますが、遠因として十分に説得力はあります。今後もiPadをはじめとしたタブレットの普及は進み、雑誌や新聞、書籍はどんどん電子化されるでしょう。そうすればフィンランドの製紙業界もマイナスの影響を受けるのは必至かもしれません。

フィンランドiPhoneアプリで復活?

ただ首相は同時に、フィンランド経済は必ず復活すると宣言しています。iPhoneが普及したことでノキアは不振となりましたが、同時にフィンランド発のアプリ開発企業は世界的企業に成長しているからです。

 

クラッシュオブクラン

 

ソフトバンクグループとなったスーパーセルは日本でも有名で、クラッシュオブクランやブームビーチなど人気アプリをリリースしています。また世界的なヒットアプリとなったアングリーバードを開発したロビオ・エンターテインメントもフィンランドの企業です。それ以外にもフィンランドには多くのIT系新興企業が存在し、将来的にフィンランド経済を支える存在になるかもしれません。

 

フィンラン_5dd89214d5f6aドは起業を支援する制度が充実しており、そうした制度の下でアプリ開発企業が成功し、将来の経済を担う存在として期待されています。このような制度は同じく高齢化や雇用の硬直化で景気停滞に陥っている日本も、見習うべき部分なのではないでしょうか。
 
 
参照元: CNBC
執 筆: KAZ