アップル、「News」アプリを強制的に中国で使えないようにしていた - iPhone Mania

中国 アップル 検閲
 
アップルが、iOS9から搭載された新アプリ「News」を中国国内で使えないようにしていることが発覚しました。多くのユーザーから端末で使用できないとの報告がなされていましたが、これまでは中国政府の検閲機能「金盾」によるものではないかと考えられていました。

中国政府ではなくアップルだった

中国本土で「News」アプリが使えないことについては、先週の時点で開発者のLarry Salibra氏が、アップルが同アプリを同国内で使用不能にしていることを指摘していましたが、同社からの公式コメントは得られていませんでした。
 
しかし、米メディアNew York Timesに、オフレコとして関係者が語ったことで、中国の検閲機能「金盾」ではなく、アップルが「News」アプリを禁止していることが分かりました。

中国のために「スイッチ」を仕込んでいた

「News」アプリは本来、同サービスが正式に開始されているアメリカのほか、テスト市場であるオーストラリアとイギリスでのみダウンロード出来るものです。
 
それ以外の国のiPhoneiPadユーザーが同アプリを使うには、先述した国で端末を購入しインストールするか、あ_5dd89214d5f6aるいは「地域」を「アメリカ合衆国」に設定すれば、どの国でもコンテンツの閲覧が可能となります。ところが中国に限っては、同サービスを使用しようとすると、「現在は更新できません。あなたの地域ではNewsはサポートされていません」という表示が出てきます。
 
先述したLarry Salibra氏は、アップルが用いている「チャイナ・キル・スイッチ」とでも呼ばれるべきシステムが、たとえプライバシー設定で位置情報サービスをオフにしても、ユーザーの許可無しにデバイスの仕様を地域ごとに変えてしまうことについて問題視しています。

中国に屈した?

もしこれが事実であれば、中国政府の「企業はセンシティブなコンテンツについてフィルターを適用する義務がある」という方針に従い、同社はユーザーの許可無くデバイスに手を突っ込んでいることになります。
 
ユーザーのプライバシーを尊重することを殊更アピールしていたアップルが、政府におもねってこんな仕様を仕込んでくるとは驚きですが、ひとまずアップル側からの公式コメントを待ちたいところです。
 
 
Source:AppleInsider,NYT
(kihachi)