中国国営TV、「iPhoneの位置情報機能は国家安全保障上の懸念」と報道 - iPhone Mania

iOS7のマップ
 
中国の国営テレビ局である中国中央電視台は、iPhoneの位置情報サービスを「国家安全保障上の懸念である」と報じました。背景には、エドワード・スノーデン氏が暴露したアメリカ政府による情報収集活動への反発があると見られます。

アメリカ政府のIT企業からの情報収集への反発か?

ウォール・ストリート・ジャーナルによると、中国の国営放送である中国中央電視台は7月11日の放送で、iPhoneのユーザーに身近な場所の情報を優先的に検索する機能「利用頻度の高い位置情報」は、国家安全保障上の懸念であると報じました。
 
中国中央電視台は、iPhoneユーザーが頻繁に訪れる場所の情報が記録・送信されることは中国の国家機密が漏洩することにつながる、と主張している模様です。今回の報道について、アップルはコメントを出していません。
 
この主張の背景には、エ_5dd89214d5f6aドワード・スノーデン氏が暴露した、米国政府によるアメリカのIT企業からの情報収集活動に対する反発があると見られます。

iPhoneの位置情報を便利にするための機能が「国家安全保障の懸念」に

「利用頻度の高い位置情報」は、iPhoneユーザーがよく訪れる場所を記録することで、Siriやマップなどの位置情報を使ったサービスの精度を高めるのに使われています。
 
iPhone「利用頻度の高い位置情報」
 
「利用頻度の高い位置情報」はiOS7で標準でオンになっています。オフにするには、「設定」アプリから「プライバシー」>「位置情報サービス」>一番下の「システムサービス」>「利用頻度の高い位置情報」から設定可能です。

中国市場攻略に熱心なアップルに逆風となるか?

アップルにとって中国は、最大の生産拠点であると同時に、最近は販売先としての重要性を増しています。2014年初頭の時点で、アップルは中国で約7%市場シェアを持ち5位の携帯電話メーカーでした。アップルは、中国最大手キャリア・中国移動のiPhone発売イベントにティム・クックCEOを登場させるなど、中国市場攻略に強い意欲を示しています。
 
今回の報道が中国政府指導部の意向を示しているとは限りませんが、国営放送である中央電視台の報道が持つ影響力は大きく、中国市場攻略に意欲的なアップルにとって逆風となる可能性もあります。
 
一方、アメリカでは、中国のHuaweiとZTEの機器には中国政府に情報を送信するスパイウェア機能が入っているとの指摘があり、通信会社が導入を回避する動きを見せています。
 
iPhoneの機能をやり玉に挙げた今回の報道に対し、アメリカ政府やアップルがどう反応するか、今後の動向が注目されます。
 

 
 
参照元:The Wall Street Journal
執 筆:hato