iPhone契約時のauオプション強制問題、KDDIが野洲市に回答「代理店の説明不十分だった」 - iPhone Mania

野洲市「KDDI株式会社から回答がありました」
iPhoneに機種変更しようとauショップを訪れた30代女性が12万円以上の契約を結ばされた事態を受け、野洲市滋賀県)は、10月24日にKDDIに対して要望書を送付していました。これに対し、KDDI側が報告書を持参して回答したことを11月28日に野洲市がホームページで公表しました。野洲市は、KDDI側の対応について「誠意のあるご回答」と評価し、KDDIをはじめ通信各社に取り組みが広がることを期待すると受け止めています。

KDDIの回答:「今回の件は、代理店の説明が不十分だったため」

KDDIは11月25日に「ご報告書」を持参したそうです。報告書は野洲市からの4点の要望内容に対応する形式をとっており、要旨は以下のとおりです。
 
要望1:消費者と販売業者との情報格差に注意して接客販売してほしい
・全店舗に、加入サービスの説明徹底の周知を既に発出している。
・サービスやキャンペーンが不要になった場合の退会導線を掲載した書面を11月中に全店に配備する。
・一_5dd89214d5f6a定期間後に有料となるサービスについては、誤解を与えないよう、説明の徹底に努める。
・店頭では従来から、タブレット画面で契約時と毎月の費用について誤解を与えないよう周知していたが、改めて周知徹底した。
 
要望2:契約時、最低限の金額を提示したうえで加算方式の接客販売をしてほしい
タブレットを用いた販売は、客の検討しているサービス・契約内容を確認しながら、必要最低限の金額に加算方式で費用を提示する仕組みになっている。
・改めて、必要最低限の金額を提示した上で、金額を正確に説明し、客の理解を確認しながら意向を確認するよう注意喚起した。
 
要望3:適合性の観点から、タブレット等が不要と思われる客に一律的な勧誘を行わないでほしい
・適合性の原則は事業者団体でも定めており、大前提と認識している。
KDDIは代理店に、客の事情を度外視した勧誘を求めたことはない。今後も求めることはない。
・11月7日に、従来の問い合わせ窓口に加え、契約時の不明点に関する専用窓口を設けた。この窓口で受けた案件は営業部門に報告が入る。対象代理店への指導も行えるよう社内体制を強化した。
 
要望4:消費者の知識・経験を考慮した丁寧でわかりやすい説明をしてほしい
・書面、タブレットを使って客のニーズ、利用実態を聞いた上で丁寧でわかりやすい説明に努める。
・ショップスタッフの研修を含め、各種手続き書面、カタログ、ホームページが簡易でわかりやすいものになるよう改善を進める。
 
・今回の事案は、代理店による店舗への不十分な指示によるもの。
KDDIとしてもコンプライアンスを遵守し、改善と再発防止に取り組む。

巧妙にすり替えられた論点。KDDIの営業体制の問題は棚上げ

野洲市は要望書を送付した際に、今回の問題が「個別販売店の問題だけではないことが確認され」、「会社(KDDI)からの指示によるものと確認された」ため、要望書を提出するに至ったと説明しています。
 
しかし、KDDIの回答からは「KDDIは以前から適切に対応しており、代理店で不適切な販売があった」「以前から適切な販売を指導しているが、改めて周知した」という趣旨が繰り返されています。KDDIの代理店への指導責任や、代理店に対する販売ノルマに問題がないかを検証せず、責任の所在が主に代理店であるかのように読める文面となっています。本来、検証されるべきだったKDDIの営業体制を棚に上げた、論点を巧妙にすり替えられた文面となっています。

KDDIから野洲市への回答前日、露骨なオプション強制に遭遇

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