米HP、HP Inc.とHP Enterpriseの2社に分割 - iPhone Mania

Meg Whitman
 
1939年創業の米Hewlett-Packardは現地時間11月2日、Hewlett Packard Enterprise(HPE)とHP Inc.の2社に分割すると発表しました。

HPEはWhitman氏、HP Inc.はWeisler氏がCEOに

HPによると、HPEは企業向けのITインフラ、ソフトウェアおよびサービス事業を柱とし、HP Inc.は消費者向けのプリンターおよびPCシステム事業に従事します。
 
HPEの社長兼最高経営責任者(CEO)にはHPのCEOを務めてきたMeg Whitman氏が、またHP Inc.の社長兼CEOにはHPの上級副社長の任にあったDion Weisler氏が就任すると発表されています。

分割により大企業の強みが失われる?

CNBCの報道によれば、分割はこれまでのHPをほぼ2分の1ずつにする形で行われ、2016年の売上高はそれぞれ500億ドル以上を見込んでいます。しかし業界アナリストらの間では、その資金力と規模でサプライヤーに対し値引き交渉を行い、顧客と大口契約を結んできたHPの強みが失われるのではと、分割を懸念する声も上がっています。
 
分割後のHPの前途は決して明るいとは言えません。モバイル端末利用が増え、文書や写真をクラウドに保存する傾向が高まるにつれ、PCやプリンター需要は縮小し続けています。一方企業向け事業でも、HPのような企業からサーバなどのハードウェアを購入するケースは減っています。

避けられない時代の変化

他の大手テクノロジー企業も同様の変化に直面しています。MicrosoftWindows OS搭載PCを購入するユーザーの減少により、OS販売事業の方向転換を余儀なくされました。PCメーカーのDellはこれまでのPC販売から企業データセンターへと事業の中心を移行しつつあり、最近ではストレージ大手のEMCを買収しています。
 
またIBMも、収益が減ったPC、サーバ、マイク_5dd89214d5f6aロプロセッサ事業を売却しました。現在はデータ解析、サイバーセキュリティ、クラウドコンピューティングなど、今後の成長が見込まれる分野へと投資しています。
 
分割した今後のHPの動向が注目されます。
 
 
Source:HP,CNBC
(lunatic)